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2020-04-18

思いだす日記 | 四月九日(木)

子どもの描いた絵。タイトル「ぶどうの実と、おともだちおる絵」
「ぶどうの実と、おともだちおる絵」

 起床してすぐ、六時ごろ台所でラジオの収録。本にあったすきな文章をメモしたノート(前半で止まったまま)をめくったら、金井美恵子「愛の生活」の主人公が、一週間ぶんの夕食を思いだそうとする場面が書かれていて(シンクロニシティ!)、そこを読んでみようと思いたつ。夕食を手がかりに、日記を書こうとしているわたしとは、ぜんぜんちがうけれど。

昨日の夕食に、わたしは何を食べたのだったろう? 昨日の夕食に、わたしが食べたのは、牡蠣フライ、リンゴとレタスのサラダ、豆腐のみそ汁だった。

一昨日は、ポーク・チャップとジャガイモのサラダと葱と油揚げのみそ汁を食べた。昨日の昼食はクロワッサンに牛乳で、一昨日も、同じだった。昨日、やはり十時に起きた時、わたしは一週間前までの、夕食と昼食の献立を仔細に思い出そうとして、遂に成功して、それをちゃんとノートに書いておいた 。

金井美恵子「愛の生活」(『愛の生活 森のメリュジーヌ』講談社文芸文庫 所収)

 午前中、あーちゃんは自分でぬりえをダイニングテーブルに持ちだし、集中して塗っていたので、YouTubeはつけないでおく。家にこもりはじめてから、もともとうまかったぬりえが(線からはみださないように、絵じたいの位置をこまかく動かしながら塗る)、より上達していっている。

 途中から「しまじろう、みたい」と言うので、今日も台所でオンライン幼稚園。すでに、何回も同じ歌を聞いている気がして、みょうに特徴的なサビだけが、頭のなかでぐるぐる回る。

 朝と夜以外の、時間帯の把握がまだ曖昧であるあーちゃんが、「あさ、ひる、うすぐらいのつぎ、よる」と言っていて、感動する。ふだんは夕方と言っている気がするし、わかっているとは思うのだが、「うすぐらい」……! かつて同じように、ぐっときたもの「はる、なつ、あき、ゆき」を思いだす。

 ふとポストを覗きにいくと、Kさんからの葉書が届いていた。うれしい。わたし、文通してるんだ、とだれかれなしに自慢したい気分。夫に見せびらかす。

 のこり六日ぶんの日記が書けた。PCとiPhoneを行ったり来たりしていたが、ほとんどiPhone上で書いていたので、眼精疲労。日記はぜんぶで七千字ちかくあって、さすがに頭がぐらぐらと、熱くなっているのがわかる。夕食時、ほんのすこしだけ残っていた娘の味噌汁を、もういらないよねとぐっと飲みほしたら、「あーちゃん、飲みたかったのにー」と言って泣いた。

 わたしが書くことに夢中になっているあいだ、お絵かきをはじめていたあーちゃんは、登場人物がたくさんいる絵を完成させていた。夫とともに驚く。また一枚、海にうかぶ船の絵を娘は描きはじめる。そして、眠る時間になってもまだ描いていたくて大泣きする。

 布団のなかに入っても、まだ頭が熱く、iPhoneで日記に加筆していた。目が痛い、目が痛い、と思いながら就寝。

夕食 無印良品のレトルトカレー(わたしプラウンマサラ、夫キーマ)

あーちゃんはしらす丼、ミニトマト、じゃがいものソテー、味噌汁(二日め)

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