思いだす日記 | 四月二十二日(水)
六時すぎ起床。
午前中、あーちゃんと散歩。以前、アオサギを見かけた畑ふきんに差しかかり、今日はおおきな鳥さんおるかな?と言いながら、道路に目を向けるとすぐそばにいた。わっと後ずさる。ちかくで見るとおおきいのだ。あーちゃんがすぐに駆けよったため、アオサギは低く飛びながら、畑のなかほどへ逃げた。そして動かなくなったアオサギを、一メートル幅ほどのドブ川で隔たれた道端にしゃがんで、わたしたちはずっと見ていた。
畑にはモンシロチョウが数匹飛んでいて、れんげが咲いている。アオサギはなにを食べて生きているのだろう。もしやチョウ? ドブには幅のせまい石板が、橋としてかけられていて、あーちゃんはそれを渡りたがる。畑いったらあかんよ、と制しながら、自分が小学校に入るか入らないかくらいの頃、住んでいたアパートのちかくにあった、れんげの咲く畑であそんでいたことを思いだす。その畑の持ち主である老婆に、叱られて追いかけられたことも。怖かったなあ。それなのに、わたしは何回もその畑であそんだ。れんげの花で冠をつくりたかった。
ここはひとの畑やで、ひとのお家に入ることになってまうでね。かあちゃんも、こういう畑にちいさい頃、入ったことあるわ。そしたら、おばあちゃんに怒られた。そう、あーちゃんに言うと、「え、このはたけのこと? かあちゃんも、ここにはいったの?」と言われて、ちがうよ、ここよりとおく、むかしわたしが住んでたとこのちかくのこと、と返す。
「おばあちゃんに、なんておこられた?」とも聞かれたが、それはしっかり憶えてなくて、「ここであそんどったらあかんやろ!」みたいな感じかなあ、と生返事になった。
あーちゃんがつんだ花がくったりしていて、水に入れるため帰ろうとなる。その後シャボン玉したら気絶しそうに眠い。夫の勧めで昼風呂に入った後、腹痛に見舞われ、予定どおりご飯をつくるのは無理、となる。外がさむかったので、身体が冷えたのだろう。子ども用のご飯と同時に、味噌煮込みうどんをつくっていたら、段どりがわからなくなる瞬間がたびたびあって、出汁が何回も干あがりそうになっていた。しんどくて台所で叫ぶ。
細ぎれにできた時間に、『〈子ども〉のための哲学』を読むが、頭にぜんぜん入ってこなかった。
夕食 味噌煮込みうどん