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2020-04-12

思いだす日記 | 四月二日(木)

子どもが「赤ちゃん」と呼ぶぬいぐるみ
このぬいぐるみたちはぜんぶ「あかちゃん」らしい。

 朝、出勤まえの夫から「ポストに届いてたよ」と、オレンジ色の封筒を手わたされる。NYに住むワイナー祐子さんのフェミニストzine『Short & Sassy』だ! ぶじ届いたことに、まずほっとする。注文をしたとき、NYはたしか、自宅待機になる一歩手まえだった。赤のハートがぽんぽん飛んでいる、表紙がかわいい。うつうつとした気持ちが晴れてくる。zineに挟まっていた、祐子さんからのメッセージに泣きそうになった。

 今日もわたしはバブという設定。「とうちゃんはねこ。ねこはかいしゃいっとる」と言う。

 あーちゃんの「かばさんのどうぶつえんいきたい!」コールに耐えかね、今週はじめて外へでる。ちなみに「かばさんのどうぶつえん」とは、近所にあるホームセンターのことで、かばの絵が描かれた、リサイクルコーナーがあるためこう呼んでいる(注 : だいすきなペットコーナーがある場所ということで、ホームセンターはぜんぶ動物園)。

 冷蔵庫もからっぽなので、ついでにスーパーに行こうと思う。これだけのことが、決死の覚悟、みたいに思える。あーちゃんと外出すると、なかなか短時間では、おだやかに帰られないことが(だいたい喧嘩)、頭をもたげていた。先週も行きつけの、いつも誰もいない公園にいったが、二時間ちかくもいると途中で、通りがかりのご老人たちに数回話しかけられ、それだけで(こ、これはいいのだろうか)と内心おろおろした。

 とはいえ、あーちゃんにはわからないだろう……というのが、強固な思いこみのようになり、わかってもらおうとすることを、わたしは怠けてはいないだろうかという気持ちにもなる。コロナっていうばいきんが、そとにはおるんやけど、目にはみえなくてね……と、自分なりに説明をこころみる。いつもなら、駐車場は走っちゃだめと、こんこんと言い聞かせても即走りだすあーちゃんだが、今日はそんなことはなく、わかってくれていると感じた。

 ホームセンターで、プリキュアの着せかえ、アンパンマンのひらがなドリルを買う。気がついたらあーちゃんは、ひらがな五十音をほぼ読めるようになっていた。先日、絵本に印刷された文字を鉛筆でなぞっていて、こういうドリルあるといいのかな、と思っていたのだ。このふたつが、ワンオペ育児の希望になることを期待。わたしはこのごろ欲しいと思いつづけていた、観葉植物を見る。こぶりなラベンダーと、ガジュマルの鉢を買った。スーパーでは野菜と、プリキュアチョコなど甘いものを。

 ひと動作おわるごとに消毒しながら帰宅。あーちゃんはさっそく着せかえに夢中。まだ自分では、台紙から取りはずせないので、パーツのこまかさに悲鳴をあげながら、わたしもいっしょにやる。部屋のなかに置いたガジュマルを見るだけで(ラベンダーはベランダへ)、うれしい気持ちになってくる。名まえはガジュ麻呂。

夕飯 クリームシチュー(二日め)

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