思いだす日記 | 四月十六日(木)
朝食の卵焼きを焼いていた夫が、フライパンから取りだす際、コンロ台に卵焼きをまるごと落とす。その辺りがあまりきれいじゃないのもあり、食べずに捨てた。けっこうショックやよね、と夫に共感する。卵、落としてばかりな、わたしたち。
午前中は台所でくるくる動いていた。常備菜をきらしていたので、ピーマンきんぴら、にんじんグラッセ、あーちゃんが食べたいと言っていた、「おじゃがとあぶらあげ」の味噌汁をつくる。
シャボン玉しようという子どもに、散歩してみようか、と提案する。買い物は基本ひとりずつ大人が行っているし、ひきこもり生活になってから、あーちゃんの運動不足が気になっていた(マスクを何個もつくっておいて、つけられてない)。
外は汗ばむくらい、あたたかかった。あーちゃんは道端でたんぽぽの綿毛を見つけると、すぐさまマスクを下ろして、吹きにかかる。「にさいのとき、おうまちゃんで、たくさんふいたよね」。散歩の目的は「しろいたんぽぽ」を探すことになるが、さいしょの一個しか、けっきょく見つからなかった。
野の花を見ているだけでたのしい。紫の、たぶんスミレの一種、うすい紫のぽつぽつしたちいさな花(ホトケノザ?)をふたりで摘む。うすい水色のとてもちいさな花のついた、キュウリグサがちいさなころに好きだったことを、思いだした(なぜキュウリ?といま検索したら、葉をもむとキュウリの匂いがするとあった。これは忘れてた)。近所をぐるりと回って、二十分くらい。ひとにはほとんど会わなかった。あーちゃんは夫に黄色のたんぽぽを渡していた。摘んできた花を、通販で買って届いたとき驚いた、ちいさなちいさな花瓶に生ける。
帰宅後、庭でシャボン玉。
ずっとつくってみたかった鶏ハムをつくり、それを夕食にしようと思っていたら、意外に時間がかかることを午後に知り焦る。あるレシピは、下味つけたらひと晩置く、とあった。わたしの選んだ、栗原はるみレシピでは下味三時間、鍋に入れて三時間……。とりあえずつくってみて明日に回すことして、今日は簡単な炊き込みご飯にしようと、気持ちを切りかえる。
夜、起きていた。Spotifyでカネコアヤノを聞きながら、日記を書く。この歌いいなあ、と思って画面をみたら「祝日」というタイトルだった。二十二時半ごろ、鍋のなかで放置していた鶏ハムを取りだす。端をすこし切って食べてみる。しっとりしていたが、完成しているのかは、よくわからなかった。
夕食 ツナとしめじの炊き込みご飯、じゃがいも、わかめ、油揚げ、長ねぎの味噌汁