思いだす日記 | 四月十三日(月)
ずっと雨の音がしている。台所で家事をしていてふと振りかえると、あーちゃんはぬりえをはじめていた。このところはずっと、朝食に使う卵を混ぜること、トーストのバターを自分で塗ることもすきだ。
午前中、振込などの用事を済ませるため、ひとりでコンビニへ行く。車を運転するのがほんとうに久しぶりで、足元がすこしふわふわする。ATMにいたら、老人男性がにじり寄ってきたので逃げる。コンビニのレジカウンターのまえ、店員さんと自分の境に、ビニールの幕がだらりと垂れさがっていた。しずかに衝撃を受ける。車のなかっていいかもしれないと思いながら、いっしゅんで帰宅。部屋の延長上というか。わたしはひとりになりたいときの、逃げ場所をさがしていた。
用事を済ませた達成感で勢いがつき、ずっと気になっていたことを電話で尋ねる。娘が月に一回通院して、貰っている薬のこと。急を要する症状ではないため、非常事態宣言がだされたいま、病院へ行くことじたい避けたほうがいいのか。でも、三年ほど治療しているものなので、勝手に中断していいのかも、わからない。かかりつけからは「親ひとり来るだけでいい」という返事で、かなりほっとした。やはり、子どもといっしょに外出して、さっと帰ることは困難だから。
昼食は温かいたぬきそば。甘辛く煮た油揚げだけ、あーちゃんにあげたら気にいっていた。
これまで、ずっと食事中もNetflixなどで、動画を観せていた。離乳食が大変だったころに癖になってしまい(動画に気がいっているうちに、口にいれる……)、もうずっと言われるままに観せていて、なにが観たいか毎回ちがう番組をさっと言うことに感心すらしていたのだけど(ペッパーピッグ、カズープ、ミッフィーなどなど)、やっと、やっと止めようということになる。動画に夢中になって、ごはんがぽろりとか、箸じたい止まってるとか、さすがにあかんやろとなった。説明すると、そこまでごねることなく受けいれてくれる。こちらが気づくのが、いつもいつも遅すぎる……。
阿久津隆『読書の日記 本づくり / スープとパン / 重力の虹』(NUMABOOKS)が届く。ああ、かわいい。本棚にはしまいたくなくて、すぐ本だらけになる自分の机のうえに、まずは置く。
雨がふりしきるなか、車内に避難して、ラジオ収録。家ではあーちゃんが夫と、子ども番組を観はじめているころだ。二十分ちかく話す。声をだすと自分が整っていくような気がする。ざあざあという雨音も、いっしょに録音されていた。
夕方すぎ、昼ごろ来る予定だった火災報知器の点検と、父母の来訪がかさなり、わたわたとする。これでしばらく会えなくなるのに、あまり落ちついて話せなかった。
夕食は、冷蔵庫にあった豚肉とキャベツでチヂミ(お好み焼きソースを切らしていた)とビール、中華風スープ(二日め)。チヂミは生地だけつくり、夫に焼いてもらうことにしたのだが、生地の見た目が関西風お好み焼きすぎて、一枚めはぶ厚く焼いてしまう事案が発生。タレなしであーちゃんにも。たくさん食べた。