寝おち日記 | 三月十四日(土)、十五日(日)
三月十四日(土)
久しぶりに寝おちする。一週間ぶりくらい、でも久しぶりという感じがする。それまでは寝おちこそ、わたしの常態。子どもが生まれてからのデフォルトだった。
今月から定職がなくなり、自由登園になった娘を恐るおそる送りだし、家事を中心にした生活になったとたん、わたしは寝おちしなくなった。だって、つかれてないし~と、毎日いっしょに寝おちしていた夫に、意気揚々というわたしは、ちょっと嫌な感じだったな、といまは思う。マウントってこんな感じをいうんだろうな。
たしか昨夜は寝かしつけ中、そこまでつかれてはないけれど、もうこのまま寝てしまったら、幸福なんだろうな、と思った。いま娘は入眠まで、そんなに時間がかからない。だから、寝おちしないでおくことも、以前よりは簡単になったとは思う。だが今日も、夫はすぐにいびきをかきはじめる……。
そう思っているうちに、寝おちしていた。
寝おちしてしまったと思って目ざめる朝、そこにはいつも後悔の念があった。そりゃそうだ。自分のことなんてなにもできずに、一日がおわってしまうのだから。そして、それが常態だから、そんなことじたい思わずにいたけれど、久しぶりに思った今朝は、そういった感情がなかった。わたしは幸福なうちに、眠った。
つぎにつくる本の表紙を、自分のすきなイラストレーターさんにお願いしたい(F賞入選作を収められる!となったとき、そのひとに描いてもらいたいと確信した)と思っている。雰囲気はこんな感じで、紙の質感はこれがよくて……という話を、参考資料を並べ夫にする。本の表紙とか、デザインに関することを考えるのがすきですきで、一日中こういうこと考えていたい、という話とか。夫にとって、ずっと考えていられることを、このとき聞いたけど、何だったっけ。ヘッドフォンだっけ。まだイラストレーターさんには連絡できていない(緊張!)。
ホームセンターに立ち寄るついでに、隣接されたスーパーに行こうと思っていたら、スーパーが工事中で瓦礫の山。ここの花屋さんが、わたしの穴場だったのに。代わりにホームセンター入り口にある、花コーナーが心なしか充実している。バラが何本も束になって四百円とか。
夕飯 かつおのたたき
三月十五日(日)
また寝おちした。五時すこしまえに目が覚める。しばらく布団でだらだら。台所で皿を片づけはじめた六時ごろには娘も起きてきて、は、はやいよ~と思う。
朝食のあと三人で公園へ。いつもは誰もいないおうまちゃんだが、今日は地域の清掃活動があったようで、ひとがたくさん。あーちゃんが乗りたいブランコも、近所の子どもたちに占領されている雰囲気なので、はやばや退散する。つぎに行った公園は駐車場が満車で停められず、いつもより空いていた、三軒めの公園におちつく。晴れていたが、風がつめたく寒かった。アウターを羽織ってこなかったことを後悔。
夫に用事があったため、あまりのんびりできなかったのだけど、帰るまえに「すべり台十回すべる!」と宣言したあーちゃんは、自分で数えながらすごい速度で、すべり台をすべっていた。そして駐車場へ向かう途中、急にひとりで走りだし、アスファルトの上で転んで大泣きした。手のひらをすりむき、すこし血がでた。
夕飯は夫のつくるたこ焼き。娘のぶんは箸でこまかくして、うちわで冷ます。おおげさに振りまわしていたら、娘にすこしうけた。調子にのってぶんぶん振りまわす。
送りたいと思いつづけていた、ながいながいメールを送る。ながくなることがわかっていたから、身構えてしまっていた。ほっとして就寝。