BFC前夜オープンマイクに参加しました。|『獅子座』 十句
獅子座 ばんかおり
西日中幼子踊・踊・踊(ダンス・ダンス・ダンス)
ムーミンは夏に生まれし獅子座の子
冷奴おもんぱかるのなんてむり
おほきなる揚羽を貰ふどうしよう
背泳や片恋しひとみな魚座
汗ばめる夫即ちマリオかな
隻眼の青い金魚のゐる水槽
給食のサーモンかつにチャプチェかな
ぶだう捥ぐ加水分解してました
星とぶやねるねるねるねソーダ味
このたび、俳句作品『獅子座』で「BFC前夜オープンマイク」に参加しました。わたしは「012」番に掲載していただいています。
BFCとは即ち、ブンゲイファイトクラブのこと。ご存知でないかたは、「ブンゲイファイトクラブってなに?」をぜひご一読ください。わたしは主催者のおひとり、西崎憲さんのファンです。西崎さんのやられていることに、読者としてとにかくわくわくし、心を動かされてきました。さいきんでは電子書籍レーベル「惑星と口笛ブックス」や、『kaze no tanbun 特別ではない一日』といったアンソロジー、そして、文芸誌「たべるのがおそい」の編集長をされていたことも、まだまだ記憶にあたらしいです。
昨年、開かれたBFCの告知を読んだとき、どきんとしました。小説を公募していた「たべるのがおそい」に、いつか作品送ってみたい、と思っていたこと。行動できないまま、終刊をむかえるころは、小説を書くことから心がはなれていたこと。これから始まることにわくわくしながら、自分に参加は無理だ、とすぐに思いました。それは、第二回開催の告知を見たときもほぼ変わらず、どきんとしたあと、わたしは応援する側、と思ったのです。
それが、「BFC前夜オープンマイクはどなたでも参加できる場です。400字程度の作品をお寄せください」という、告知の文章を読んだとき、ぜったい参加しようと思いました。掲載は先着順らしい、すぐに埋まっちゃうと焦ったわたしは、子どもを三秒で寝かしつけたあと(体感)、大丈夫かな、と緊張しながら、このブログで発表しようとしつつ全然手をつけていなかった(題名だけ決めていた)、俳句をまとめて送ったのでした。
十くらいないと、かたちにならんよね、あ、足りないからつくらなあかん、となりながらまとめた句は、つたなく(ぶだうの表記、ここはぶどうだったな……とか)、まだかんがえが足りていないものもあって、でも俳句のことばかりかんがえていた、この夏そのものみたいと思ってます(いまもまだかんがえている)。しかも、掲載していただいてすぐ、「好き」だと、ご感想つぶやいてくださったかたがいて、めちゃくちゃうれしかったです……!
オープンマイク、現時点で八十七作品が掲載されています。読んでいると、じわじわと自分も文章が書きたくなってきて、面白いです。散文がすきな自分は、べつに消えたわけではなかった。じっくり楽しみながら、来月の本戦開催を待ちたいと思います。
BFC主催者のみなさま、こういった機会をいただき、本当にありがとうございました。