「小説 野性時代」12月号「野性俳壇」佳作をいただきました。
しんしんとクロノスタシスして聖夜 かおり
文芸誌「小説 野性時代」十二月号の俳句コーナー「野性俳壇」にて、長嶋有選・佳作をいただきました。兼題(あらかじめ出されたお題)は、冬の季語「クリスマス」でした。ありがとうございました!
簡単に語句の説明です。「聖夜」が兼題「クリスマス」の傍題(クリスマスがメインだとしたら、そのサブ的な仲間の季語です)で、クリスマス・イヴにあたります。
「クロノスタシス」は時計の秒針が止まって見える現象のこと。
「野性俳壇」には以前、選外佳作として名前が掲載されたことがありましたが、自句の掲載は初めてでした。投稿の三ヶ月後に結果がでるからか、兼題の季節が前倒し気味なため(たしか八月ごろにクリスマス! )、難しさを感じていたので嬉しい……。季語が含んでいるものを、自分がちゃんと掴めているのかどうかは今後も課題です。
過去の日記にも書いたことがあるのですが、もともと長嶋さんの小説ファンだったわたしは、ご本人に会える! ということもあり「飛騨マッハ」へ行ったのでした。そこで人生初句集『春のお辞儀』(ふらんす堂、現在は書肆侃侃房より新装版が販売中)を買ったわたしにとって、長嶋さんは俳句の「親鳥」のようなもの。採っていただけ、ほんとうに感激でした。
そういえば、「野性俳壇」が開始してすぐ(二〇一七年からみたいですね)、長嶋さん読んで欲しさに、二回ほど投句をしたことがありました。その頃は俳句のことをわかっていなくて、何もかんがえず無季の句を出していたような……。当然のように掲載はされず、自分に俳句は無理かもなぁ、なんてすぐ止めてしまっていたのです。
そんな自分が、俳句にはまって投稿をどうにか続けていられるのは、句会をともにしている仲間がいるからかもしれないな、と思います。わたしにとってはですが、ひとりで続けるには、俳句は難しい文芸でした。結社に入ってみたかったのも、自然に仲間を求めて、という気持ちがあった気がします。今回は、そんなきっかけをくれた知人たちと一緒の掲載でもあり、喜びもまたひとしおでした。
(ばんかおり)